竜神になった三郎


   竜神になった三郎 26


しかし、三郎は毎日妻のことばか
り考えていました。
「早く家に帰りたい。おっかあは
どんなに心配しているだろう」
そう思うと、三郎はいてもたって
もいられません。



「どうか妻に会わせてください」
三郎は、何度も神様にお願いしま
した。
「もう少したったらのぅ」
神様はそういうばかりでした。



一方、三郎の妻は、いくら待って
も三郎が帰ってきません。
「兄さん、三郎さんがまだ帰って
こないのですが、どうしたのでし
ょうか」
心配になった妻は、兄たちに聞き
ました。


        つづく