福寿草になった少女


   福寿草になった少女 8


「まさか・・・」
おくさんも鈴を手にとり、ふって
みました。
「リーン・リーン・リーン」
清らかな音色が、あたりにひびき
ました。



「なんでこんなかわいい子を捨て
るのじゃ」 
「きっと理由があったのでしょう。
こんなかわいい子ですもの、母親
だって捨てたくなかったでしょうに」



かわいいこどもを捨てるなんて、こ
どもの授からない夫婦には、考えら
れないことでした。
「それにしても、かわいい子じゃのぅ」
長者はなれない手つきで、そっと女
の子をだきあげました。


        つづく