福寿草になった少女


   福寿草になった少女 12


大人ばかりの静かなやしきが、と
てもにぎやかになりました。
笑い声のたえない、明るい家にな
ったのです。



「ほら、みて。福が笑っているわ。
かわいい笑顔ね」
「福がね、はいはいできるように
なったのよ」
「つかまりたちができるようにな
ったわ」



「福が歩けるようになったの。ほ
ら、みて。上手に歩けるでしょ」
二人は、福の成長を、何よりも楽
しみにしています。



福は、色白の笑顔のすてきなこど
もでした。
姿がかわいいだけでなく、誰から
も愛される、心のやさしいこども
だったのです。


        つづく