福寿草になった少女


   福寿草になった少女 13


「とうちゃん、かたをたたいてあ
げる。そこへすわって」 
福は小さな手で、長者のかたを、
とんとんとたたいてくれます。
「きもちが良いのぅ。福、ありが
とよ」
長者はうれしそうです。



かあちゃん、なにかお手伝いす
ることない?」
福は家の手伝いも、よくやりました。



「福ちゃん、あそぼ」
近所のこどもたちも、おおぜい遊
びにきます。
やしきの広い庭は、いつも近所の
こどもたちで、いっぱいでした。
福は、大勢の人に、「福ちゃん、
福ちゃん」とかわいがられ、大き
くなりました。


      つづく