福寿草になった少女


   福寿草になった少女 14


福が七才になった春のことです。
「福や、守屋山にはな、雪がとけ
る頃、黄金色の花が咲くというい
いつたえがあるのだよ。黄金色の
花は、春を告げる花だといわれて
いる。



黄金色の花をみた人は、一生幸
せにくらせるそうだ。とうちゃんも
若い時、黄金色の花がみたくて、
毎年守屋山に登って、花をさがし
たものだ。しかし、なぜか一本も
見つけることができなかった。



村の人は、だれも黄金色の花をみ
たことがないそうだ。一度で良い
から、黄金色の花をみたいものじ
ゃのぅ」
長者は、守屋山に咲くという黄金
色の花のことを、福に話してくれ
ました。


        つづく