福寿草になった少女


福寿草になった少女18


その日、長者夫婦は、みちたりた心で家に
帰りました。
「福は、私がみたいといっていた黄金色の
花になったのじゃのぅ」
長者はそっとつぶやきました。



それから五百年がすぎました。
守屋山のふもとでは、何万本にもふえた福
寿草が、春の光をあび、美しく咲いています。



その中に一本、福の生まれ変わりの花が咲
いています。
その福寿草は、守屋山にまだ雪が残ってい
る頃、ふっくらしたかわいい芽をだします。
そして、ほかの福寿草が全部咲き終わるま
で、美しく咲いているそうです。



    おわり



童話「福寿草になった少女」は、信州の諏
訪湖の近くにある山・守屋山の明神様にま
つわる福寿草と少女の話。



信州諏訪の「風の神様」から聞いたお話。
「風の神様からのおくりもの」シリーズ2



童話「福寿草になった少女」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に収
録されています。









http://www.bk1.jp/product/02434727






  福寿草の写真をどうぞ。