福寿草になった少女


   福寿草になった少女 15


「とうちゃん、黄金色の花って、
どんな花かしら。私も黄金色の花
がみたいわ。とうちゃん、大きく
なったら、守屋山へつれていって
ね。きっとよ」
福は、長者と約束しました。



それから一年が過ぎました。
山深い村にも、ようやくあたたかな
春がやってきました。
ある日、福はたった一人で留守番を
することになりました。
大勢の人に囲まれて生活している福
には、珍しいことでした。


         つづく