福寿草になった少女


   福寿草になった少女 27


 すると・・・。
山の頂からも、おごそかな声が聞
こえてきました。
「わしは守屋山に住んでいる明神
じゃ。二人とも福に会えて、本当
に良かったのぅ。



長者夫婦よ、福を大切に育ててく
れて、ありがとう。感謝している
ぞー。そこに咲いている黄金色の
花は、福寿草というのじゃ。これ
からはその花を福だと思って、大
切にするのじゃよ」



その日、長者夫婦は、みちたりた
心で家に帰りました。
「福は、私がみたいといっていた
黄金色の花になったのじゃのぅ」
長者はそっとつぶやきました。


      つづく