福寿草になった少女


   福寿草になった少女 26


「とうちゃん、かあちゃん。今年
も忘れずに私に会いにきてくれた
のね。うれしいわ。私ね、明神さ
まにお願いして、とうちゃんがみ
たいといっていた黄金色の花にし
ていただいたの。



きれいな花でしょ。今は一本きり
だけれど、何百年かたてば、何万
本にもふえると思うの。とうちゃん、
かあちゃん。来年も再来年も、忘
れずにここにきてね。きっとよ」
どこからか福のかわいい声が聞こ
えました。


       つづく