竹取物語


  竹取物語


   貴公子たちの求婚 6


すると、姫が。
「じいや。何をいうのですか。じ
いのいうことは、何でも聞いてい
るではありませんか。私は、じい
のことを、ほんとうの親だと思っ
ていますよ」



「姫。うれしいことをいってくれ
るね。じいは、今年七十になった。
いつまで生きていられることか・・・。
じいが気になるのは、ただ一つ。
姫のことだけ。この世の人は、男
は女をめとり、女は結婚してこど
もをうむ。そうやって、一族が栄
えていくのじゃ。姫は、結婚する
気はないのかね」


         つづく