竹取物語


  五人の求婚者への難題 1


日が暮れる頃、いつもの五人がや
ってきました。
ある者は笛を吹き、ある者は大き
な声で歌を歌い、ある者は楽譜の
旋律を口ずさんでいます。



また、ある者は口笛を吹き、ある
者は扇をたたき拍子をとり、外で
さわいでいます。
おじいさんは玄関をでて、五人に
姫の気持を伝えました。



「もったいなくも、長い間わが家
に通っていただきありがとうござ
いました。どなたも立派なかたで
す。私が見たいと思う品を用意し
てくだされば、私に対する愛情が
はっきりするでしょう。結婚する
かどうかは、私に対する愛情の深
さで決めたいと思います」と。


         つづく