竹取物語


阿倍の右大臣と火鼠の皮衣 6


皮衣が入っている箱を見ると、い
ろいろの瑠璃をとりまぜ、彩色し
て作ってありました。
皮衣は、紺青色でした。
毛の端は、ぴかぴか光っています。
比べる物がないほどの美しさでした。



かぐや姫が、皮衣を欲しがるの
も、無理はない。恐れ多いことだ」
といって、皮衣を箱の中へしまい
ました。



安倍は、化粧を丁寧にして、出か
ける支度をしました。
かぐや姫の婿として、屋敷に泊ま
ることになるだろうと思い、木の
枝に歌をつけて持って行きました。


        つづく