竹取物語


帝のお召しに応じないかぐや姫 22


おじいさんが泣くのをみて、姫は
どうしたらいいのかわかりません。
「月の国には、私の父も母もいま
す。わずかな間だけといって、月
の国からやってきました。でも、こ
の国で、長い年月がすぎてしまい
ました。



月の国にいる父と母のことは、も
うおぼえていません。この地上で、
長い間滞在したので、月の国へ帰
れると聞いても、少しもうれしく
ありません。むしろ、悲しい気持
でいっぱいです。でも、月の国へ
帰ってきなさいと命令されれば、
いやでも帰るよりしかたがありま
せん」


         つづく