帝のお召しに応じないかぐや姫 21
今月の十五日に、月の国から迎え
にくることになっています。私は、
月に帰らなくてはならないのです。
二人がこのことを知ったら、悲し
むだろうと思い、この春以来、悩
んでいました」
そういって、姫ははげしく泣きま
した。
「姫、何をいうのだ。竹の中で、姫
をみつけた時には、三寸位だったの
に、今ではじいの身の丈と同じ位に
なった。じいが大切に育てた姫を、
誰が迎えにくるというのだ。そんな
ことは、じいが許さん。もしそんな
ことになったら、じいが死にたい」
つづく