竹取物語

[童話]竹取物語


   竹取物語 96


第七章 石上の中納言と燕の子安貝 12


それが病のもとになって、中納言はだ
んだんに衰弱してしまいました。
子安貝をとれなかったことより、他人
がこの話を聞いて、どう思うかと気に
したのです。


中納言の様子を聞き、かぐや姫はお
見舞いの歌を送りました。


 年を経て浪立ち寄らぬ住の江の

 まつかひなしと聞くはまことか


家来が、かぐや姫の歌を読んできか
せると、中納言は気力が弱っていた
が、頭をもたげて、かぐや姫に返歌
を書きました。


        つづく