[童話]古事記神話「古事記物語」
木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ)2
「木花之佐久夜比売さまですか。美しいかただ」
すると・・・。
木花之佐久夜比売は、はずかしそうに下をむい
てしまいました。
「兄弟は何人ですか」
「姉が一人います」
「名前は?」
「石長比売(いわながひめ)といいます」
「石長比売だなんて・・・変な名前。美人なの
だろうか」
邇邇芸命は、そっとつぶやきました。
「突然ですが、私の妃になっていただけませんか」
「えっ、妃に? たった今、お会いしたばかり
ですよ。それに、あなたの名前も知りませんし」
「失礼しました。私は、邇邇芸命。高天原にい
る天照大御神の孫です」
つづく