ライオンめざめる

[童話]ライオンめざめる


   ライオンめざめる 17


すると、ライオンが話しはじめました。
「王妃はかなしがって、小さくなった私を、金のロケ
ットにしたのです。そして、王妃は、なくなるまで私
を大切にしてくれました」
ライオンは、やさしかった王妃をなつかしむように
いいました。


「そのロケットが、おおぜいの手をへて、こうしてか
なの手にわたったのじゃ。今までは、だれもライオ
ンのうなり声を聞くことができなかった。でも、かな
のおかげで、ライオンはやっと長いねむりからさめ
ることができたのじゃ。ライオンよ、ほんとうに良か
ったのぅ」
かなは、神様の話を、ふしぎな思いで聞いていま
した。


       つづく





「ライオンめざめる」は、みほようこの四冊目の
童話集「ライオンめざめる」に収録されています。


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