黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  19


そして、明神さまが何度迎えに行っても、奥さんは
帰ってきませんでした。
「私、この下諏訪の地が気にいったわ。朝も早くから
太陽の顔をみることができるし、上諏訪のやしきより
ずっと暖かい。それに、このごろ温泉もわきでるよう
になったし。だから、私はずっとここでくらすつもりよ」
そういって、奥さんは下諏訪のやしきで暮らすことに
なったのです。


もともと、人がうらやむほど仲のいい夫婦。
明神さまは奥さんと離れているのがつらく、夜になる
と、毎晩奥さんに会いにいきました。


             つづく