黄金色のまゆ玉19
「まゆ玉のことはともかくとして、
私は寒いのが大嫌い。
今までずっとがまんしていたけれ
ど、ここは日が沈むのも早いし、と
ても寒い。
こんな寒い所には、これ以上住め
ないわ。
私は、湖の向こう側の日がよくあ
たる場所へいって暮らしたいの」
そういうと、奥さんはさっさとし
たくをして、湖の向こう側へ行っ
てしまいました。
そして、明神さまが何度迎えに行
っても、奥さんは帰ってきません
でした。
「私、この下諏訪の地が気にいっ
たわ。朝も早くから太陽の顔をみ
ることができるし、上諏訪のやし
きよりずっと暖かい。
それに、このごろ温泉もわきでる
ようになったし。
だから、私はずっとここでくらす
つもりよ」
そういって、奥さんは下諏訪のや
しきで暮らすことになったのです。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090120#p1
信州の諏訪湖には、「おみわたり」
の伝説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、おみわたり
の伝説をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。
初めて読んでくださったかたへ
黄金色のまゆ玉1