童話「かきつばたになった少女」


 童話「かきつばたになった少女」1


昔、昔、ずぅーと昔。
神様が私たち人間と同じ国に住んでおられた頃の
お話です。



八ヶ岳のふもとの高原には、おおぜいの女神さま
たちが住んでいました。
その中に、「かきつばた」という名前の、美しい
少女がいます。かきつばたは、ある神様の一人娘
でした。神様は、たった一人の娘を、宝物のよう
に大切にしています。



女神さまたちは、みんな美しいかたばかりでした
が、かきつばたの美しさは格別でした。
黒い長い髪、すきとおるような白い肌、小さなか
わいいくちびる、うっすらと紅をさしたようなほ
お、すらりとした体、澄んだ清らかなひとみ。
かきつばたのひとみは、いつもきらきら輝いてい
ました。



かきつばたをみた人は、あまりの美しさにびっく
りしました。
「なんて美しい少女だろう。この世にこんな美し
い少女がいるのだね」と。
かきつばたは、姿が美しいだけでなく、笑顔のす
てきな、心のやさしい少女でした。
かきつばたのそばにいると、どの人もほっとし、
心がなごみました。
そんな少女だったので、神様や女神さまたちから、
「かきつばた、かきつばた」といって、かわいが
られています。


          つづく




この少女 読んでもらえる 童話なり




    
    わが家のブログペット「りゅう」の句




童話「かきつばたになった少女」は、今年
http://www.choeisha.com/から
発行される、みほようこの四冊目の童話集・「ラ
イオンめざめる」に収録されます。



童話集「ライオンめざめる」は、「風の神様から
のおくりもの」シリーズ4。
今、本を製作中。
九月までには、本ができる予定です。



    今までに発行されたみほようこの本



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)




ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)