童話「ライオンめざめる」


    童話「ライオンめざめる」4


さわやかな秋になりました。
かなとりゅうは、高原の小高い丘へ登りました。
りゅうは散歩が大好き。
かなの顔をみると、「散歩に行こう。ねえ、かなさん。
散歩に行こうよぉ」と、大声でさいそくします。
かなはライオンのロケットを首にかけ、散歩に行きま
した。


 
丘へつくと、夏の間美しく咲いていた日光きすげやや
なぎらんは、すっかり枯れていました。そして、草原
は一面すすきでおおわれていました。
松虫草の花は、まだ咲いているかしら」
かなは、松虫草の花を探して歩きました。
あちこち探しましたが、松虫草の花はなかなかみつか
りません。
松虫草の花は、もう枯れてしまったのかしら」
かなは、あきらめて家に帰ろうと思いました。



ふと足元をみると、枯草の中に、松虫草の花が十本く
らい咲いていました。
松虫草の花は、秋の日をあび、きらっきらっと美しく
輝いています。
「なんてきれいだろう」
かなは、松虫草の花に見とれていました。



すると・・・。
花のみつをすいにきたのでしょうか。
どこからか、赤いちょうが一匹舞ってきました。みた
ことのないちょうです。


      つづく



童話「ライオンめざめる」は、みほようこの四冊目
の童話集・「ライオンめざめる」に収録されます。
「ライオンめざめる」は、「風の神様からのおくり
ものシリーズ」4。
今、本を製作中。



童話集「ライオンめざめる」は、今月末(九月末)に
http://www.choeisha.com/
から、発行される予定です。



     収録される童話


  ・ ライオンめざめる

  ・ 笛の音よ、永久にひびけ

  ・ かきつばたになった少女