童話「ライオンめざめる」


    童話「ライオンめざめる」6


ライオンが、またないています。
かなは、いつものように、ロケットをやさしくな
でてあげました。



「うー、わん、わん」
とつぜん、りゅうが大声でほえました。
びっくりしてふりむくと、杖をついた白いひげの
おじいさんが、後にたっていました。
「どうしたのじゃ」
おじいさんが、にこにこしながら近づいてきました。



「おじいさん、このライオンね、時々うーんうーん
ってうなるの。なぜうなるのかしら」
かなは、おじいさんに聞きました。
「そうか、ちょっとわしにみせてごらん」
おじいさんはロケットを手にのせ、じっとみています。
おじいさんがロケットをやさくしなでた時、ふしぎな
ことがおこりました。



おじいさんの手の中で、ライオンがだんだんに大きく
なってきたのです。二センチくらいだったライオンが、
十センチくらいになり、二十センチくらいの大きさに
なりました。
おじいさんは、ライオンをそっと地面におろしました。
すると、ライオンは足をふんばり、しっかり立ち上が
りました。そして、あっという間に、五十センチくら
いの大きさのライオンになりました。


          つづく



童話「ライオンめざめる」は、みほようこの四冊目
の童話集・「ライオンめざめる」に収録されます。
「ライオンめざめる」は、「風の神様からのおくり
ものシリーズ」4。
今、本を製作中。



童話集「ライオンめざめる」は、今月末(九月末)に
http://www.choeisha.com/
から、発行される予定です。



     収録される童話


  ・ ライオンめざめる

  ・ 笛の音よ、永久にひびけ

  ・ かきつばたになった少女