竜の姿をみた少女


    竜の姿をみた少女13


らんらんと光るするどい目。すっとのびた二本の角。
やりをうえたようなたくさんのきば。
長さは、六メートル以上あるでしょうか。
大きな、美しい竜でした。 
「わぁ、竜だぁー!!この湖には、竜がいたんだぁ」 
かなは、びっくりして大声でさけびました。


 
「わしは、大昔たてしな山のふもとに住んでいた三郎
じゃ。わしは、この村が大好きだ。だから、ときどき
ここへ遊びにくるのじゃ。おまえとも、何度か話をし
たのぅ。わしは、さっきのじいさんじゃ」
「さっきのおじいさん?」
「そう、さっきのじいさんじゃ。わしは、諏訪湖に住
んでいる竜神じゃ」
そういうと、竜はどこかへきえてしまいました。



かわりに、さっきのおじいさんが、にこにこしながら
近づいてきました。
「わしは、諏訪地方を守っている竜神じゃ。今日は、
かなに竜の姿をみせてあげようと思って、諏訪湖から
やってきたのじゃ」


つづく



「竜の姿をみた少女」は、みほようこの二冊目の童話集・
竜神になった三郎」の続編。



竜神になった三郎」は、2004年4月、七年に一度
おこなわれる諏訪大社の「御柱祭」にあわせ、「鳥影社」
から発行されました。




竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)

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