ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」7
「はじめまして。私、小桜です」
「・・・小桜?」
桜の花がとまどっている様子が、姫にもわかり
ました。
「桜さん、聞こえますか?」
姫は、桜の花に話しかけました。
すると、しばらくして。
「はじめ・・・まして・・・小桜姫さま。こんな
に早く・・・姫さまと・・・お話ができるなんて
・・・うれしいわ」
「私もうれしいわ」
「でも・・・姫さま、せっかく・・・お話ができ
るようになったのに、・・・もうすぐ・・・お別
れしなくてはならないの・・・残念だわ」
「なぜ?」
「私たち・・・もうすぐ・・・ちってしまうの」
「でも、また会えるでしょ?」
「ええ、姫さま。来年・・・また会いましょうね。
この鈴のことは・・・だれにも・・・ないしょよ。
・・・姫のおとうさまにもね」
とぎれとぎれでしたが、姫は桜の花と話をすること
ができました。
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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