ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」


ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」7


「はじめまして。私、小桜です」
「・・・小桜?」
 桜の花がとまどっている様子が、姫にもわかり
ました。
「桜さん、聞こえますか?」
姫は、桜の花に話しかけました。



すると、しばらくして。
「はじめ・・・まして・・・小桜姫さま。こんな
に早く・・・姫さまと・・・お話ができるなんて
・・・うれしいわ」
「私もうれしいわ」



「でも・・・姫さま、せっかく・・・お話ができ
るようになったのに、・・・もうすぐ・・・お別
れしなくてはならないの・・・残念だわ」



「なぜ?」
「私たち・・・もうすぐ・・・ちってしまうの」
「でも、また会えるでしょ?」
「ええ、姫さま。来年・・・また会いましょうね。
この鈴のことは・・・だれにも・・・ないしょよ。
・・・姫のおとうさまにもね」
とぎれとぎれでしたが、姫は桜の花と話をすること
ができました。


つづく


「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)