ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」8
「この鈴を七回ふると、花とお話をすることがで
きるのね。なんて不思議な鈴かしら」
姫はそっとつぶやきました。
こうして、姫は花や小鳥たちと、話をすることが
できるようになりました。話ができるだけでなく、
人々の気持や、小鳥や花の気持が、よくわかるよ
うになりました。
年頃になった姫は、はっとするほど美しい娘にな
りました。姫は姿が美しいだけでなく、心の優し
い人でした。
姫が二十才になった春のことです。
「姫、義意はわしがほれた男じゃ。この人なら、
姫を幸せにしてくれるだろう。姫、義意の所へと
つぎなさい」
おとうさんは姫にいいました。
義意も姫を大変気に入ってくれました。そして、
姫は荒井の城主三浦義同の息子・義意の所へ嫁ぎ
ました。その時、義意はニ十五才。みるからにた
くましい、色黒の大柄な人でした。
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
一昨年九月、「鳥影社」から発行されました。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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