ふしぎな鈴「朝顔のエスカレーター」


ふしぎな鈴「朝顔エスカレーター」7



つるも空にむかってどんどん長くのび
ていきます。
つぼみも数えきれないくらい、たくさ
んつきました。
そして、あちらにひとつ、こちらにひ
とつと、花が咲き出しました。
赤い花も白い花もあります。
紫の花も、ピンクの花も咲き出しました。



何千何万という花が、色とりどりにぱ
っと音がして開いていきます。
色あざやかな竜が、空に向かってかけ
のぼっていくような、そんな感じでした。



かなはぽかーんとして、たくさんの朝
顔の花を見ていました。
「かなさん、私の体にしっかりつかま
りなさい。
これから良い所へ案内しますから」
どこからか、また声が聞こえてきました。
かなはおそるおそる朝顔のつるにつか
まりました。
 

つづく


「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊
目の童話。
一昨年九月、「鳥影社」から発行され
ました。
挿絵は、長野ひろかず先生。
すてきな挿絵です。




ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)