ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」


     ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」1


かなは四年生になりました。
かなの学校へ、古杉先生が転校してきました。
小柄な色の白い先生でした。先生はかなのクラス
の担任になりました。



先生は、いつも背中に、灰色のリュックをせおっ
ています。そのリュックは、さんざん使ったもの
らしく、古い物でした。
かなはリュックをみるたびに、「新しいリュック
を買えばいいのに」と思いました。



灰色のリュックを初めてみた時から、かなはなぜ
かリュックのことが気になってしかたがありません。
「なぜあの灰色のリュックのことが、気になるのだ
ろうか」
かなは不思議に思いました。



古杉先生もかなの顔を初めてみた時、いつかどこか
で会ったことがあるような、とてもなつかしい気が
したのです。
「どこで会ったのだろうか?」
でも、どこであったのか、先生には思い出せません
でした。


     つづく


「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話。
一昨年九月、「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)