竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女26


「どういたしまして。かなによろこんでもら
えて、わしもうれしい」
おじいさんもうれしそうでした。
「おじいさん。もう一つ聞いていいですか」
「改まって、何じゃ」
「おじいさんは、なぜ竜になってしまったの
ですか」



「さあ・・・なぜ竜になってしまったのだろ
うね。わしにも、わからん。神様も、竜にな
った理由を教えてくれないのでのぅ」
「奥さまも、竜になったのですか」
「ああ、妻も竜になってしまった。



私と妻は、諏訪湖のほとりで会った。ひとめ
みただけでおたがいに好きになり、結婚した。
ところが、妻があまりに美しい人だったので、
兄たちがやきもちをやいたのじゃ。



そして、わしを諏訪湖の深いふちにつきおと
してしまった。わしは、神様に助けられ、地
の国の王子になった。
地の国の生活は、夢のような生活だったが、
わしは愛する妻のことを忘れることができな
かった。

             つづく


童話「竜の姿をみた少女」は、童話「竜神
になった三郎」の続編。


童話「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に
収録されています。



    童話「竜神になった三郎」


http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html




    童話集「竜神になった三郎」の紹介


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html



     ビーケーワン

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