かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女20


山彦も毎日霧が峰へ行き、かきつばたをさ
がしました。
でも、かきつばたをみつけることはできま
せんでした。
かきつばたは、どこへ消えてしまったので
しょうか。



一年後。
山彦が、八島の湿原へ行ってみると、沼の
ほとりにみたことのない紫色の花が咲いて
いました。
花が咲いている場所は、初めてかきつばた
に出会った場所でした。
「かきつばたさんが、紫色の花になったの
かな?」
山彦は、ふとそう思いました。


              つづく



童話「かきつばたになった少女」は、信州
の霧ケ峰高原に伝わっている「かきつばた」
の伝説をヒントにして、みほようこが書い
た物語。



「かきつばたになった少女」は、みほようこ
の四冊目の童話集・「ライオンめざめる」に
収録されています。


 
童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。




     童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html




http://www.bk1.co.jp/product/2719469



http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31785511