黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉2


次の朝。
「なんだ、これは・・・?」
「すごい割れ目だね」
湖をみた人々は、びっくり。
湖の氷が割れていたのです。



氷がせりあがり、いくえにもかさなりあっ
ています。
大きな山は、こどもの背丈ほどありました。
小さな山でも、三十センチくらい。
湖の上には、でこぼこした長い氷の山がで
きていたのです。
人々には、大きな竜が、湖をのたうちまわ
っているようにみえました。



なんと、その氷の割れ目は、明神さまが住
んでいる神社の近くから、湖の向こう側ま
でずっと続いていました。
「昨夜、氷の上を歩いていた人は、明神さ
まだったのだろうか」
「まさか・・・?」


        つづく



信州の諏訪地方には、「おみわたり」とい
う伝説があります。


「黄金色のまゆ玉」は、「おみわたり」の
伝説をヒントにして、みほようこが書いた
物語。