雪んこの舞


    雪んこの舞1


暑い夏が終わり、さわやかな秋がやっ
てきました。
遠い空の国では、たくさんの雪のこど
も・雪んこが生まれました。
例年の十倍も多い雪んこです。



生まれたばかりの雪んこは、まんまる
で透明です。大きくなるにつれ、雪ん
こは白くなります。
大きさは0.5ミリ位、人間と同じよ
うに目も耳も鼻もついています。



その中に目がみえない雪んこがひとり
いました。名前はるみ。
るみは目がみえないけれど、とても明
るいこどもです。おとうさんとおかあ
さんと三人で暮らしています。



るみたち雪んこが、最初におぼえなく
てはならないこと、それは雪の舞でし
た。るみも生まれてすぐ、おかあさん
から雪の舞の手ほどきを受けました。
「ちら、ちら、ちら」
「ちーら、ちーら、ちーら」
これが雪の舞の基本です。


            つづく



童話「雪んこの舞」
は、みほようこの初めての童話集「風
の神様からのおくりもの」に収録され
ています。



童話集「風の神様からのおくりもの」
は、信州諏訪の「風の神様」から聞い
たお話。







風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




http://www.bk1.jp/product/02056682