瑠璃寺の青獅子


     瑠璃寺の青獅子8


小屋ができると、男は獅子頭を彫
るための木を探して歩きました。
生きているようにみえる獅子の頭
を彫るためには、どんな木でもい
いというわけにはいきません。



軽くて、丈夫で、しかも獅子が宿
っている木でなくてはなりません。
男は木地屋へ行き、桐やイチョウ
栃・楠などの木をみせてもらいま
した。
でも、気にいった木はみつかりま
せん。



二週間後。
やっと、気にいった木がみつかり
ました。
それは、大きな桐の木でした。
「この木の中には、獅子が眠って
いる」
木をみた時、そう思いました。


           つづく



「瑠璃寺の青獅子」は、信州高森
町の瑠璃寺に伝わっている話をヒ
ントにして、みほようこが書いた
物語。



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