平成の歌13


一面のなづなの花を鋤き込みて

   忽ち田の面の色変はりたり



病み後のろれつの悪しきを嘆きつつも

   従兄弟は歌会でひたすらなりき



在りし日に夫の作りし玉しのぶ

   赤き芽吹きの日に透きて見ゆ



春嵐過ぎし朝の裏庭に

   散りばふ柿の若葉掃き寄す