女神さまとの約束3
女の人は、雪でびっしょりぬれ、寒
さのためぶるぶるふるえています。
「寒かったでしょ。さあ、早く中
へ入りなさい」
「ありがとうございます」
女の人は、ほっとした顔でいいま
した。
つぎはぎだらけの着物をきた、貧
しいみなりの人でした。
「すぐきがえをもってきます。
待っていてくださいね」
ふくは、母の部屋へ、きがえをと
りに行きました。
「この着物は、なくなったかあち
ゃんの着物です。
さあ早く、この着物にきがえてく
ださい」
「そんな大切な着物を・・・私に
かしてくださるのですか。
ありがとうございます」
女の人は、土間のすみで、きがえ
をしました。
つづく
昨日の分は、こちら
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初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090923#p1
「女神さまとの約束」は、信州の
佐久にある湖・白駒の池に伝わっ
ている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。