女神さまとの約束9
おとうさんが元気になったら、黄
金色の花が咲いている場所で、病
人の世話をしてほしいのです。
どんなことがあっても、けっして
黄金色の花が咲いている場所をは
なれてはいけません。
黄金色の花が、早くみつかります
ように。
八ヶ岳の女神より」
手紙には、そう書いてありました。
大雪の夜、ふくの家に泊まった女の
人は、八ヶ岳の女神さまだったのです。
「とうちゃん。待っていてね。
私、八ヶ岳へ行って、黄金色の花を
さがしてくるから」
病人を、一人残していくことは心配
でした。
でも、黄金色の花さえみつかれば、と
うちゃんが元気になれるかもしれな
い、ふくはそう思ったのです。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090930#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090923#p1
「女神さまとの約束」は、信州の
佐久にある湖・白駒の池に伝わっ
ている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。