井戸で鳴く黄金色のにわとり19
気がつくと、空はからっと晴れてい
ました。
太陽も顔をだしています。
「それっ、今だ。気をひきしめ、再
び大島城をせめろ」
信忠は、兵士たちにむかってさけび
ました。
「おぅー」
「おー」
織田の兵士たちは大声をあげ、再び
大島城をせめてきました。
火のついた矢が、あちこちからとん
できます。
城に、再び火がつきました。
そして、城はたちまち火の海になり
ました。
「助けてー」
城内にいた人々は、安全な場所をさ
がし逃げまわりました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100128#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1
「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。