女神さまからのおくりもの70
第六章 清太、山の中の湖へ
次の朝。
清太は、夜が明けないうちに、庄
屋の家を去りました。
空には、星が輝いています。
「きよちゃん。たくさんの楽しい
思い出を、ありがとう。
八年間、きよちゃんと暮らすこと
ができて、ほんとうに幸せだった。
おらは、きよちゃんが大好き。
きよちゃん、おらのこと、忘れな
いでね。さようなら」
清太は、やしきをあとにしました。
でも、行く所がありません。
家へ帰れば、両親が心配します。
清太は、白駒がたおれていたとい
う湖へ行こうと思いました。
湖をみながら、これからのことを
考えようと思ったのです。
しかし、湖は麦草峠の近くにある
ということしかわかりません。
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101208#p1
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