黄金色のまゆ玉4
「おお、寒いっ」
明神さまは、空をみあげみぶるい
しました。
そして、なにやら小声でつぶやく
と、足早に歩き始めました。
その早いことといったら。
青年たちは、こんなに早く歩く人
をみたことがありません。
青年たちは、たちまち明神さまを
みうしなってしまいました。
「明神さまって、足が早いんだね。
まるで、氷の上をすべるように歩
いていったよ」
「それにしても、明神さまはどこ
へ行ったのだろう」
「好きな人のところへ行ったのか
もしれないよ」
「ばかをいえ。あんな美しい奥さ
んがいるのに、明神さまがそんな
ことをするはずがないじゃないか」
「じょうだんだよ。じょうだん」
つづく
前日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110113#p1
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