黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  4


その早いことといったら。
青年たちは、こんなに速く歩く人をみたことがありま
せん。
青年たちは、たちまち明神さまをみうしなってしまい
ました。
「明神さまって、足が速いんだね。まるで、氷の上を
すべるように歩いていったよ」
「それにしても、明神さまはどこへ行ったのだろう」


「好きな人のところへ行ったのかもしれないよ」
「ばかをいえ。あんな美しい奥さんがいるのに、明神
さまがそんなことをするはずがないじゃないか」
「じょうだんだよ。じょうだん」
「なにしろあの二人は、うらやましいほど仲がいいか
らね」
「じゃあ、明神さまはどこへ行ったのだろう?」


             つづく