黄金色のまゆ玉


  黄金色のまゆ玉 5


青年たちは、何日も明神さまのあとを
つけました。
しかし、いつも明神さまの姿を見失っ
てしまいました。



二月初めのある夜。
青年たちは、今夜も明神さまの後をつけ
ていました。
湖の真ん中あたりまできた時、「ばりば
りっ、みしっ」という大きな音がして、
氷がわれはじめました。



「わぁー!」
「気をつけないと、湖へ落ちるぞ」
青年たちは、おもわず後ずさりしました。
そうしている間に、その夜も明神さまを
みうしなってしまいました。



「今夜こそ、行く先をつきとめられると
思ったのに、残念だったな」
「それにしても、あぶないところだった。
こんな寒い夜湖に落ちたら、しんぞうまひ
で死んでしまうぞ」
青年たちは、とぼとぼと家に帰りました。


         つづく



     黄金色のまゆ玉 1

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20130124#p1


     黄金色のまゆ玉 2

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20130125#p1


     黄金色のまゆ玉 3

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20130126#p1   


     黄金色のまゆ玉 4

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20130127#p1