女神さまからのおくりもの


   女神さまからのおくりもの2


「ふくちゃんは、どちらへ」
「守屋山のふもとの村じゃ」
「その山は、たしか・・・信州にある山」
「そう、諏訪湖の近くにある山じゃ。 清太、
お願いがあるのだが」
「なんでしょうか」



「ふくといっしょに、あちらの国へ行っても
らえないだろうか」
「私がですか」
「無理かのぅ」
「妻も、いっしょでしょうか」
「いや、今回は別々じゃ。 でも、きよも、
あちらの国へ行く予定があるらしい。 何年
後になるか、わからないがのぅ」



「あちらで、きよに会えるでしょうか」
「それはわからぬ。 会えるかもしれないし、
会えないかもしれない。 ・・・というのは、
あちらへ行く時、すべての記憶が消されてし
まうからじゃ。 だから、きよに会っても、
妻だったということがわからない。 でも、
きよと清太は、ほんとうに仲のいい夫婦。
きよに会えば、どこかで会ったことがあるよ
うな、なつかしい気はするだろう」


       つづく



この童話の挿絵を募集しています。
挿絵を描いてくださるかたは、「鳥影社」まで。



http://www.choeisha.com/news.html#megami