古代出雲の王 大国主命


    沼河比売 11


八千矛神さま。私は、しおれた草
のような女です。
私の心は、ふらふら飛ぶ水鳥のよ
うです。



今は、自分のことしか考えていな
い鳥ですが、いずれはあなたの鳥
になりましょう。
だから、鳥を殺さないでください。



緑の山に日が沈むと、真っ暗な夜
がやってきます。
夜になったら、朝日のようにやっ
てきて、白い腕で私をやさしく抱
いてください。


     つづく