諏訪の神話「明神さまの弓」


   明神さまの弓 21


「誰だろう」
外に出ると、月明かりの下で、老
人が弓をひいていました。
曲がっていた腰が、しゃんと伸び
ています。
別人のようでした。



「おこしてしまったかな」
「いいえ。ぐっすりひと眠りしま
した」
たけるは、老人の弓を借りて引い
てみました。
たけるが持っている弓より、数倍
強い弓でした。


     つづく