守屋山に黄金色の花が咲いた 3
少女が明神さまへ千回目のお願い
に行った日。
境内の中は、昨夜から降った雪で
真っ白でした。
少女は真っ白な雪の上を、神殿に
むかって歩いていきました。
すると神殿の方からおごそかな声
が聞こえてきました。
「わしは守屋山に住んでいる明神
じゃ。 おまえはなんて心のやさ
しい少女なのじゃ。 おまえが毎
日ここへお参りにきていることは、
よーく知っているぞ。
もう千回もここにきたのじゃな。
いろいろつらいだろうが、これか
らも兄にやさしくしておやり。
兄はそのうちきっとよくなるだろう」
つづく
「守屋山に黄金色の花が咲いた」は、
諏訪の童話集「風の神様からのおくり
もの」に収録されています。
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集。
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html
2001年8月 鳥影社より発行。