女神さまとの約束


  女神さまとの約束 7


ふくの心の中は、大雪の夜に泊まっ
た女の人のことでいっぱいでした。
二人は、困っている人をみると、知
らん顔ができず、ときどき旅人を泊
めてあげていたのです。


 
夏のある朝。
「ふく・・・ふくー。 早くきておくれ」
ざしきの方から、長者の声が聞こえ
ました。
いそいでかけつけると、長者がたお
れていました。



「とうちゃん、どうしたの?」
「目がまわって、歩けないのだ」
「だいじょうぶ? とうちゃん」
「ああ、ちょっと休めばよくなるだ
ろう」
長者は、横になりました。


        つづく


「女神さまとの約束」は、みほようこの童話集
「竜の姿をみた少女」に収録されています。



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