2016-06-20 ふしぎな鈴 童話 小桜姫とふしぎな鈴 19 しかし、姫の祈りもむなしく、戦 のさなかに、夫をはじめ一族のほ とんどが、城でうち死してしまっ たのです。 姫は、城が見える南岸の森の陰 へ、仮家をつくり逃げていました。 そして、城が焼けおちるのを、対 岸のかくれ家で、くやしい思いで みていたのです。 「くやしい、くやしい……。なんと しても、にくき北条をほろぼしたい」 心のやさしい姫でしたが、三浦一族 をほろぼした北条を、姫はどうして 許すことができませんでした。 つづく