小桜姫とふしぎな鈴 20
こうして、鎌倉時代から続いた豪
族三浦一族は、北条早雲によって、
滅ぼされてしまったのです。
一年後、姫は重い病気にかかり、
三十四才の若さで、この世を去り
ました。
なくなる少し前、姫はぼだい寺の
和尚に、大切にしていた二つの鈴
をあずけました。
「私もじきに死ぬだろう。でも、
いつかこの世にふたたび生まれて
きたい。生まれ変わって、大好き
な父や母、夫とともに、もう一度
この世で暮らしたい」
姫は、ふたたびこの世に生まれて
くることを、強く望みました。
つづく