ふしぎな鈴


   小桜姫とふしぎな鈴 21


ある夜、姫は夢をみました。
桜の花が美しく咲いている下で、
少女が鈴をもらっている夢でした。



「かな、この鈴を大切にするのだよ」
長いひげの人は、その少女を“かな”
とよんでいます。
「私はかなという少女に生まれ変わ
るのかもしれない」
姫は、なぜかそう思いました。



「数百年後、山深い町に、かなとい
う名前の女の子が生まれるので、二
つの鈴を、その少女に渡していただ
きたい」
ぼだい寺の和尚に、姫はそうお願い
しました。


        つづく