竜神になった三郎


   竜神になった三郎 24


「そうじゃ。人を少しも疑うこと
を知らないおまえを、この国の王
子にしてあげよう。じつは王様に
は、あとつぎがなくて、困ってい
た所じゃ。これからおまえはこの
国でのんびりと暮らすがよい」
そういうと、神様はどこかへ行っ
てしまいました。



「いやー、困ります。私には妻が
います。私の帰りを、今か今かと
待っています。だから私はどうし
ても家に帰らなくてはなりません」
三郎は、大声でさけびました。



しかし、神様は、三郎のいうこと
など、聞いてくれませんでした。
そして、三郎は、いやおうなしに
地の国の王子にされてしまったの
です。


        つづく