竜神になった三郎


   竜神になった三郎 37


湖の底には、こいしい妻がいました。
愛する妻も、竜になっていたのです。
「おっかあー」
「三郎さーん」
二人はしっかりだきあいました。



三郎を諏訪湖で失った妻は、悲しみ
のあまり諏訪湖に入り、なくなりま
した。
そして、竜になり、諏訪湖の底で、さ
びしくくらしていたのです。



「おっかあ、もうお前をはなさない
ぞー」
「三郎さん、私ずっとあなたを待っ
ていたのよー」
二人は、湖の中をいつまでも泳ぎま
わりました。


         つづく